*湘南獣医師会副会長 永田浩之
2016年度鎌倉市防災訓練における挨拶文を元にしております。
防災訓練 挨拶
今年4月に起きた熊本地震は、これから起きる確率が70%、と言われる
東京直下型地震 と、同じ型の地震でした。
熊本地震では約1週間、震度4以上の地震が続き、
自宅に戻れない避難者が、最高18万3千人 となりました。
避難所はいっぱいで入れず、
大きな建物や車の中で過ごす人もたくさんいました。
火災や崩壊が起きなければ 1週間後には戻れる可能性もありますが、
ペットをど同行している避難者にとっては、
最初の1週間をどのように過ごすかを、今から考えておかなければなりません。
このような災害にあっては、
ご自分でなんとか切り抜けなければならないのです。
避難所に行けば、『何とかなる』のではなく、
ご自分やご家族とペットをどうやって守り抜くのか、
を考えなければなりません。
熊本地震では多くの飼い主の同行避難が見られましたが、
避難所の中には入れてもらえないところが多数ありました。
数日後にはテント生活やペットの一時預かりなどが出来るようになりましたが、
それまでの間は避難所の外で頑張るしかなかったようです。
避難所がいっぱいであちこち探し歩いた方もおられたようです。
★同行避難などペットの救護対策はなぜ必要か。
ペットが家族の一員であるとの認識の広まりとともに、
災害時のペットの同行避難は必要かつ不可欠なものとなっています。
過去の災害において、ペットが飼い主と離れ離れになってしまうケースが
多数発生しましたが、
このような動物を救護することは、多大な労力と時間を要するだけでなく
その間にペットが負傷したり、衰弱・死亡する恐れもあります。
また、不妊・去勢処置がなされていない場合、繁殖による増加で、
住民の安全や公衆衛生上の環境が悪化することも懸念されます。
これは動物愛護の観点だけでなく、
放浪動物による、人への危害防止や生活環境保全の観点からも、
重要な課題なのです。
飼い主は自分のペットの安全を確保する責任がありますので、必ず同行避難してください。
鎌倉市と湘南獣医師会は協定を結び、
飼い主不明となった飼い主不明となった動物の救護および避難所でのペットの健康管理
などを行います。
★同行避難するための準備はどのようにしたらよいのでしょうか。
災害時に飼い主がペットと同行避難するためには、
日頃からしっかりと準備を行い、
ペットの安全と健康を守るとともに
他の避難者への迷惑にならないように努めなければなりません。
避難所におけるペットの存在が、
人々にとってストレスやトラブルの原因となるかどうかは、
飼い主自身の意識と、日頃からの備えに左右されます。
また、通常の環境とは大きく異なる避難生活は、
ペットにとっても大きなストレスとなる可能性がありますので
ペットの避難に必要な用具等と準備しておくことや
普段からしつけや健康管理をしておくことで、
そのストレスを軽減させることも可能となります。
そして、一番大切なことは、
日頃から飼い主とペットが近所の方たちから快く思われているかどうかなのです。
災害時だけでなく、日常でも共助(きょうじょ)の気持ちを忘れず
迷惑をかけない努力が必要です。
★同行避難した場合、
避難所での飼育管理はどのようにしたらよいでしょうか。
様々な人が、共同生活を送る避難所において
ペットを管理する場合は、動物が苦手な人、アレルギーを持っている人、
などへの特別の配慮が求められます。
ペットの保管場所、保管方法、汚物の処理、臭い対策など、
問題をあげればきりがありませんが、飼い主みんなで協力しあい、
なんとか危機を乗り越えてください。
飼い主もペットも、大きなストレスを感じながらの生活は
命に関わることもあります。
避難所でのペットの管理は、1週間程度を限度とし
他の場所にするか、ペットを預けることも考えておきましょう。
1週間後には、ペットの保管施設やボランティアの活動が始まると予想されます。
これらの施設は、集団預かり(ケージ飼い)となりますので
ケージが苦手なペットについては 今から個人で預けられるところを
探しておくのもよいでしょう。
★まとめ
災害の規模や、それぞれの避難所によって、事情は異なります。
まずは、地域の避難訓練へ参加してください。
実際に避難訓練に参加し、そこでの問題点を話し合い、解決していきましょう。
地域の自治会は、その地域のペットの飼育状況を把握し、
避難訓練への参加を促してください。
災害時のトラブル回避のためにも、事前のペット対策の準備が必要です。
湘南獣医師会では、皆様の取り組みへの協力をしております。
湘南獣医師会会員の獣医師へ、お問い合わせください。
⭐️リンク
こちらも合わせてお読み下さい。
・湘南獣医師会「災害時のための心構え」
(同行避難する際に必要なもの(避難袋)も、記載しています。)
・ニュースから災害時のペット同伴を考える
院長の家族の「ノンちゃん」は、心臓と肝臓のお薬が必須です。
人間同様、ペットちゃんの常備薬も、避難袋に忘れずに❗️
8/26(土)大船 のっぽ動物病院でした。
0コメント